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2014年日露武道交流年記念 鏡開き式・武道始め

ロシア武道代表団を迎えて新しい年の幕開けを豊寿ぐ

 2014年日露武道交流年記念平成26年鏡開き式・武道始め(主催=日本武道館、後援=外務省)は1月13日、日本武道館で開催された。武道関係者、愛好家ら3000人が参加して、武道功労者・優良団体の表彰式や鎧着初め式、武道9種目の模範演武、武道初め(交流稽古会)が盛大に行われた。
 また、今回の鏡開き式・武道始めは日露武道交流年記念事業の幕開けとして行われ、ロシア武道代表団が来日して参加。鎧着初め式で勇ましい鎧武者姿を披露した。

 正午、大太鼓の合図で鏡開き式・武道始めが開会した。開会宣言、国歌斉唱に続いて、主催者を代表して松永光日本武道館会長が挨拶に立った。次に櫻田義孝文部科学副大臣が祝辞を述べ、続いて上月豊久外務省欧州局長が岸田文雄外務大臣の祝辞を代読した。そして最後に、ロシア武道代表団のグリゴリー・カベルスキー氏(ロシア連邦スポーツ省夏季スポーツ種目及び2018年FIFAワールドカップ準備調整局長)が挨拶を行った。

岸田文雄外務大臣祝辞
「武道関係者が一堂に会する鏡開き式・武道始めにロシアから代表団が参加することになり、日露武道交流年の幕開けとすることができました。秋には日本武道館による大規模な代表団をロシアに派遣していただくことが決まっております。日露武道交流年を契機として、日本とロシアの人々の相互理解が深まり、今後の関係の発展のための礎がますます強固となることを願っています」
グリゴリー・カベルスキー氏挨拶
「日露武道交流年は歴史的に前例のない日露スポーツ交流における取組となります。日露武道交流年において、会議、大会、演武会などが様々な種目で行われることになっており、その中で我々は各種目の普及を進めてまいります。また、11月にモスクワで行われる日本武道代表団演武会を歓迎いたします。これらの交流の中で日露交流がより密接に盛んになると思っております」

 開会式に続いて武道功労章および武道優良団体の表彰式が行われ、鎧着初めに移った。
 鎧着初めの大将軍は河村建夫日本武道館常任理事が務め、副将軍として中村勇作全日本空手道連盟副会長・小菅一憲日本甲冑武具研究保存会副会長が脇を固めた。また、ロシア武道代表団として来日したカベルスキー氏、ラミル・ガバソフ氏、アルトゥール・アベティシャン氏の3名も鎧を身に着けて参列した。
 三献の儀、神前での誓いの言葉の奉読の後、大将軍は掛け矢で大鏡餅を、副将軍は鏡樽を開いた。兜を着用した大将軍が扇を打ち振りながら「えい、えい!」と呼びかけると、全軍が「おう!」と応え、鬨の声が館内に轟いた。前軍から出立し、中軍、後軍が続いて大道場を練り歩き、鏡開き式は幕を閉じた。

 次に各道代表者による模範演武が弓道、合気道、銃剣道、空手道、なぎなた、少林寺拳法、柔道、剣道、相撲の順に披露された。模範演武が終わると、観客席にいた参加者たちが続々と大道場に集まり、会場を埋め尽くして、弓道を除く現代武道8道の武道始めが行われた。
 最後は大道場で汁粉や鏡開きで開いた樽酒が振る舞われ、参加者全員で新年を祝った。

大将軍=河村建夫日本武道館常任理事コメント
「プーチン大統領が柔道家ということもあってロシアでも日露武道交流年の機運が高まり、武道を通じた日露友好が深まるというのは大いに結構なことです。今年は日露関係が盛り上がると思います」
カベルスキー氏コメント
「鎧着初めについて事前に聞いていましたが、実際にやってみるとやはり全然違いました。今日わかったのは侍でいることは大変だということです。少しでも昔の侍の気分が味わえたのではないかと思います。ロシアと日本において武道がもっと発展、普及し、二つの国が相互理解し、親交が深まる年になることを期待します。今回の訪日で日本側と様々な折衝をして、日露武道交流年を充実したものにしたいと思います」

ロシア武道代表団歓迎レセプションを開催

 同日17時より東京・飯田橋のホテルグランドパレスにおいて、ロシア武道代表団歓迎レセプションが開かれた。日本武道館の松永会長、臼井日出男理事長、上月外務省欧州局長、武道各団体の代表者ら約50名と、来賓としてエヴゲーニー・アファナシエフ駐日ロシア連邦特命全権大使が集まり、ロシア武道代表団を歓迎した。
 はじめに松永会長が歓迎の挨拶を述べ、続いてカベルスキー氏が「日露武道交流年の成果として武道その他のスポーツが新しい人気を得るようにしたいと思っています」と挨拶を行った。
 次に上月外務省欧州局長が挨拶の中で、日露首脳会談の際に安倍晋三首相がウラジーミル・プーチンロシア連邦大統領に対し、2013年に行われたインド共和国派遣日本武道代表団の写真を披露し、プーチン大統領が興味深く見ていたというエピソードを紹介した。
 アファナシエフ特命全権大使は「武道による交流は日露関係において非常に大事な意味を持つと思います。本日はロシアにとっても大切な一日となりました」と挨拶。
乾杯は臼井日出男日本武道館理事長の発声で行われ、歓談ではロシア武道代表団と現代武道の代表者たちが武道談義に大いに花を咲かせた。