武道の振興・普及

兵庫県姫路市地域社会剣道指導者研修会

期間 平成27年8月12日(水)・13日(木)
場所 兵庫県立武道館(兵庫県姫路市)
参加者 計11名(中学校保健体育科教職員。うち段位・級位を持たない剣道初心者は7名)
派遣講師 百鬼史訓教士七段(全日本剣道連盟常任理事・普及委員会学校教育部会委員長)、
軽米満世教士七段(全日本剣道連盟常任理事・普及委員会学校教育部会

概要

 8月12日(水)・13日(木)の2日間にわたり、兵庫県姫路市の兵庫県立武道館において、中学校武道必修に特化した剣道指導者研修会が開催され、主催した県教育委員会・体育保健課の船田一彦課長や森鼻崇文氏らが立ち会い、兵庫県立武道館、兵庫県剣道連盟及び兵庫県学校剣道連盟の協力・支援の下、11名の中学校保健体育科教員が参加して実施された。
研修会は、百鬼史訓講師と軽米満世講師の指導により、プロジェクタやホワイトボードを使用した講義から木刀や剣道着(防具)を着装し、実際に中学校の保健体育授業での剣道指導法について段階的研修を行った。

■1日目(8/12)内容
①講義(中学校武道必修化に関する現状と課題、剣道の歴史、剣道の特性、授業の進め方、中学校武道における安全指導について)。
②木刀を用いて基本動作(刃の向きがわかりやすい木刀での基本動作を初めのうちに導入することの利点)。
③面をつけないで、胴・垂のみでの模擬授業の実施。
④基本的行動(提刀、帯刀、左座右起、座礼等)。
⑤基本的な構え(中段、右上段、左上段、八相、脇構え、下段)
⑥基本の技(一本打の技、引き技、抜き技、すりあげ技、出ばな技、返し技、打ち落とし技等)の習得。
⑧実際に胴をつけ、有効打突の稽古。
⑨間合いの重要性。

■2日目(8/14)内容
⑩剣道の要素を取り入れた準備運動。
⑪面のつけ方(衛生面を考慮した個人用小手(甲手)下汗取り手袋、面下汗取り等の紹介)。
⑫ボールを使用した竹刀によるドリブル(足捌き、姿勢、打突部位を意識して)。
⑬剣道具(防具)のある授業(面・胴・小手をつけて実際に打ってみる)。
⑭段階的な指導(面打ち、小手打ち、胴打ちなど)。
⑮約束練習。
 面→つばぜり合い→引き面→残心
 面→つばぜり合い→引き胴→残心
 面→つばぜり合い→面抜き胴→残心
 面→つばぜり合い→引き胴→面抜き胴→残心
⑯3人一組で技の出来栄えを評価しあう、簡易な試合の進め方。
 気、剣、体の一致の評価。3名の評価者が気、剣、体の各々を担当し、絶対評価で判定する。
⑰習得した技を使い、自由に相手に打突する自由稽古。
⑱剣道具の片付け方。(防具の結束法の実践)
⑲画像を使用し、指導と評価(講義)中学生の授業風景を視聴。

参加者からの意見
 日本の伝統文化である武道から学ぶ点は多い。生徒に伝えたい思いが再認識できた(女性)。剣道具(防具)の取扱い、指導が難しい。生徒が楽しいと思える授業づくりが課題(女性)。剣道についての知識がない自分が楽しく学ぶことができた。生徒のために生かせればと思う(男性)。中学校武道必修化が導入されてから、礼儀作法について、少し意識が変わったと感じる(男性)。日本の伝統文化に対する意識だけでなくスポーツに興味を示す生徒は現在、少ないように思う。スポーツに関するルーツをしっかり伝えつつ、伝統文化に触れることで武道に対する意識を高めていきたい(女性)。自分自身が、剣道の知識と経験を体得していくことが大事だと思う(女性)。授業の展開方法を学ぶことができた(男性)。といった感想が聞かれた。

剣道具(防具)をつけないで面を打つ

木刀を用いての基本動作を指導する百鬼講師

木刀を用いての基本動作を指導する軽米講師

木刀を用いての基本動作

胴のつけ方を指導する軽米講師

胴を着けて実際に打ってみる

剣道の要素を取り入れた準備運動

衛生面を考慮した面下汗取りの紹介

面のつけ方を指導する軽米講師

ボールを使用した竹刀によるドリブル

剣道具(防具)のある授業を指導する百鬼講師

休憩時間も惜しんで質問する受講生

3人一組で技の出来栄えを評価する簡易試合

剣道具(防具)の片付け方