武道の振興・普及

鹿児島県鹿児島市地域社会なぎなた指導者研修会

期間 平成26年7月5日(土)・6日(日)
場所 鹿児島県立総合体育センター
参加者 28名(県内のなぎなた指導者、連盟会員、高校教員二名参加)
派遣講師 大野京子 教士(全日本なぎなた連盟)
小嶋弘美 教士(全日本なぎなた連盟)

概要

 鹿児島県で中学校武道必修化対応の本研修会は初めての開催。中央講師として大野京子講師、小嶋弘美講師、地元講師として村松陽子講師、上野千代子講師を迎え、7月5日、6日の2日間に亘り研修が行われた。参加者は県内のなぎなた指導者、大学でなぎなた部に所属する学生など28名が集まった。
 研修初日は大野講師の「なぎなたの歴史:中学校武道必修化」をテーマとした講話からスタート。スライド写真を活用しながら、自身のなぎなたの経歴を導入とし、そこになぎなたの歴史を絡めて話を進めた。大野講師は、大学では陸上部に所属して、やり投げの選手であったことや、教員時代になぎなた指導に四苦八苦した話も混じえ、単調な話に終始しない巧みな話術で聴講者を惹きつけた。講話の終盤には、中学校の武道必修化に伴うなぎなた授業について話があり、
① 授業では、なぎなたをやりたくない子供も惹きつけるよう工夫をしないといけない。
② とにかく良い所を見つけて褒め、楽しい気持ちにさせてあげる。
③ まず「なぎなた」という種目を知ってもらうことが大切。
④ なぎなたの授業が全国的にあまり行われていない現状を踏まえ、普及のためには専門の先生を連れてくるなど取っ掛かりを作ることが大切である。
など、経験に基づく具体的なアドバイスがされた。
講話の後、道場での実技研修に移った。

 実技では、なぎなたの持ち方、構え、打ち方を指導。大野講師が学校体育の授業のように指導を進め、腰の使い方、打ち込む際の足のひきつけ、手、足の動きを一致させることの重要性が繰り返し説かれた。他にも、二名の生徒を呼んで、皆の前でなぎなたを振ってもらい、それを見た生徒が自ら考え、動作の違いに気付くよう仕向けることなど、生徒の自主的な学習態度を育む指導法が紹介された。
 初日の最後は、グループを上級者と初心者の二つに分け、初心者グループは基本打突について反復練習、上級者グループは防具を身につけ基本打突と、しかけ・応じ技を練習した。ここでも体をうまく使い、手だけ先に動かして打たないこと、足、腰、手の順に体を動かし、体の動きを一致させるよう注意があった。
 研修会二日目はまず、小嶋講師が元立ちとなって全員で八方振りを行い、なぎなたの握り方、振り方等について指導を行った後、防具を身につけて掛かり稽古やしかけ応じ技を主に練習した。
 2日間研修に参加した男性は「普段から地元講師である上野先生の下で稽古しており、基本から学べるということだったので参加しました。自己流で行っていたなぎなたの振り方など間違っていた部分を直せて良かったです。」と研修会の感想を語ってくれた。

大野講師の講義に聞き入る参加者
全員で八方振り
「なぎなたは腰の回転が重要」と大野講師
しかけ応じ技を指導する小嶋講師
熱気あふれる掛かり稽古