武道の振興・普及

宮城県(仙台市)地域社会剣道指導者研修会

期間 平成25年8月22日(火)
場所 宮城県武道館(宮城県第二総合運動場)
参加者 11名 (中学校保健体育科教員6名、高等学校教員4名、その他1名)
派遣講師 井上 孝 教士八段(香川県剣道連盟 常任理事)
藤田弘美 教士七段(全日本剣道連盟)

概要

 宮城県仙台市で実施する、中学校武道必修化特化型の剣道研修会は本年度で3回目。研修会は1日のみで行われ、参加者は11名と少ないがその分内容の濃い研修会となった。
 また宮城県剣道連盟では、どの種目よりも早く中学校武道必修化に特化した『中学校「武道」必修化に向けた剣道指導資料集』を刊行している。それだけ武道必修化について関心を早くから持っていることがわかる。
 まず、開校式では井上孝講師より「宮城県は剣道の指導について非常に先進県であります。この研修会で中学校の現場で基本的なことを指導できるよう、お手伝いをさせていただきます。我々も皆様と一緒に勉強をするつもりで実施します」と挨拶があり、研修会が始まった。
 午前中は藤田弘美講師が中心となり、パワーポイントを使用して剣道の技の仕組みと指導の流れをわかりやすく説明し「武道(剣道)の授業の展開について」の講義を行った。  その後、剣道授業導入に当たり、お互いに自己紹介をし、握手からのゲーム展開や、手ぬぐいなどを使用してのゲームで体をほぐし、ペアやグループによる基本技能の習得を行った。
 次に、防具を使用しない授業例として、木刀と新聞を使った新聞切り等を行い、参加者は楽しそうに受講していた。対人稽古に入り声を出すことと、武具の扱い方の大切さを指導し、午前の研修は終了した。
 午後は井上講師が中心となって講義を行い、防具を使用しない稽古として「木刀による剣道基本技稽古法」の指導を行い、基本1~5までを説明した。
 その後、「剣道具を用いた授業の展開」として、防具をつけての指導法の説明で、胴、垂れ、面をつけての指導に入るが、胴・垂れは簡単に、手ぬぐいは始めに帽子を作っておき被り、 面は一人でつけるのではなく2人でお互いに付け合うようにするといいとの説明があった。
 基本の打ち方を教わり、お互いに打ち合いの練習をした後、20秒間の試合を行った。経験者はもとより、未経験者も気合の入った試合となった。
 稽古終了後、防具の取り外し及び片付け方を教わり、研修は終了した。
 閉校式では藤田講師より「さすが体育の教員だけあって習得も早く、技術の向上も目を見張るものがありました。しかし、実際に行うのは中学生の子供たちで、これから先生方の指導力を発揮して、自分なりの授業を見つけてください」と講評を述べて、研修会の全課程を終了した。

参加者からの意見
 剣道未経験者の中学校保健体育科教諭は4名。男性2名、女性2名で、内3名はこのような研修会は初参加とのことだった。1名の先生のみ柔道の研修会に参加したことはあるとのこと。
 4名とも、今回参加したことに対して「今回の研修では、とてもわかりやすく、授業ですぐにでも使える内容ばかりでした。不安なことはいっぱいあるが、少し不安材料がなくなったような気がします。」との感想を述べていた。