武道の振興・普及

静岡県(藤枝市)地域社会少林寺拳法指導者研修会

期間 平成24年8月25日(土)~26日(日)
場所 静岡県武道館
参加者 県連盟会員61名(全員が二段以上の有段者。学校教員の参加なし)
派遣講師 田原正晴大範士九段、向田弘之正範士七段

概要

 研修会は田原講師と向田講師が交替で指導を行い、剛法の指導、柔法の指導、武道必修化講義、受講生のリクエストに応じた技術指導を展開した。
 初日は向田講師の剛法の指導から始まった。
 初めに、丹田を意識した体の使い方を学び、それを踏まえて突きや蹴りの練習を行った。丹田を意識すると体勢が安定するだけでなく、突き、蹴りの威力も上がるとのことであったが、高度な内容であったのか、参加者の中には戸惑いながら取り組んでいる者も見受けられた。
 続いて田原講師が袖巻返し等の柔法の指導を行った。受講生は田原講師の技の巧みさ、技術レベルの高さに驚いており、何とかその技術を獲得しようと質問を交えつつ熱心に練習に取り組み、あっという間に午前の指導が終了した。
 午後は、向田講師による必修化対応の講習から始まった。
 向田講師は少林寺拳法連盟の武道必修化プロジェクト委員のメンバーであるだけでなく、実際に中学校で少林寺拳法の授業を担当した経験もあり、必修化講義は初日、二日目とも向田講師が担当した。
 冒頭、向田講師は武道が中学校で必修化されるに至った経緯、実際の指導時の注意点を自身の経験を踏まえて説明を行った。向田講師は武道必修化に関して、「武道必修化は敵対する相手を敬う気持ちを学ぶ貴重な機会となるだけでなく、日本の伝統文化を守る一助となる非常に良い取り組みである」と語り、武道の指導を行う際は、地域ぐるみで指導体制を作り上げることが必要であると講義を締め括り、引き続き実技指導に移った。
 実技指導では、二人一組で攻守を決めて相手の肩に触れ合うゲームを行った。これは、一方が相手の肩に触ろうとし、他方が触られないよう来た手をガードするというものである。本来は、肩に触るのではなく、相手を突くのが本来のやり方であるが、学校授業において、未経験の中学生は相手との接触、痛みに対して恐怖心があるので、それを取り除くために肩を触るところからスタートするということであった。これに慣れると、次は攻防一体となりこれを行う。最終的には、相手の手をガードした後、素早く相手の懐に入り相手の胸を押して軽く突き飛ばす遊びを行った。
 研修会二日目も両講師が交替で指導にあたり、基本的な内容は初日と同一のものを行った。