武道の振興・普及

宮城県(仙台市)地域社会剣道指導者研修会

期間 平成24年10月12日(金)
場所 宮城県第二総合運動場
参加者 16名(うち15名の保体科教員が参加)
派遣講師 小久保 昇治教士八段、佐藤 義則教士八段

概要

本研修会は、佐藤講師による伝統的な礼儀や所作についての講義から始まった。その際、実際に受講者に立礼・座礼の練習をさせるだけではなく、礼の見本を正面・側面から見せることにより、より分かりやすくする工夫がなされていた。また、礼をする対象について、全日本剣道連盟では「学習の場・先生・仲間」への三つを指導している旨説明があった。
 広げた新聞紙を木刀で切る「試し切り」、試し切りで切られた新聞紙を丸めてトスアップされたものを打つ「点と線」など、武道的素養を取り入れている遊びをとおして生徒の関心を高めていく指導法が紹介された。このとき、試し切りの場合は二人で新聞紙を持たせて上から切る、点と線は一人につき三回で交代するというように、生徒の安全を確保しつつ効率よく学習させることが重要だと指導があった。研修会終了後のアンケートでは、これらの指導法が授業を行う上でのヒントになったという声が多く寄せられた。
 佐藤講師は講話の中で、生徒たちの剣道授業への不安は、痛い・怖いという感情が大部分のため、不安を解消する工夫や進め方が必要であるとし、それを踏まえた上で基本動作体得、技の練習、競技性を含んだ授業の実践を心掛けるよう呼びかけた。
 受講生からは、1日のみの研修会日程ではあったが、講話のほか、剣道具の有無による指導法、試合形式による攻防の展開など内容が絞られており分かりやすかった。工夫を凝らした指導法や生徒に対しての視点などが大変参考になったという感想が得られた。