武道の振興・普及

香川県(高松市)地域社会なぎなた指導者研修会

期間 平成24年12月8日(土)~9日(日)
場所 香川県立武道館(高松市福岡町1-5-5)

参加者

なぎなた
保体科(内、有段者)
他教科(内、有段者)
その他
男子
女子
男子
中学校教員
1(0)
1(0)
その他教員
4(4)
2(2)
6(6)
外部指導者(中学校)
1(1)
1(1)
外部指導者
(中学校以外)
3(3)
3(3)
社会体育指導者
8(8)
8(8)
9(8)
2(2)
8(8)
19(18)

派遣講師
高田まりこ(財)全日本なぎなた連盟
芦川 寿美(財)全日本なぎなた連盟

概要

 香川県でこの特化型研修会を行うのは初めて。
 内容は、柔道・剣道のように50分授業を想定したものではなく、通常の社会体育系指導者研修を核に、要所に初心の中学生を念頭に置いた注意や助言を加えた。
 一対多数の基本の振りでは、はじめにモデルを1人立たせ、その体の前面に上下左右斜めになぎなたを置いて振るべき軌道を示した。
 高田講師は、八方振りの角度や切先の動き、体捌きにおける中心や腰の回転の大切さなど に言及し、「棒体操にならないよう」全身で振るなぎなたの操法を強調した。
 その合間に、振り返しを頭上で行う際、上手く体の中心で行わせるための指導上の工夫な ど実地に役立つテクニックも紹介した。
 その後、3グループに分かれ、一対多数の八方振りを行い、指揮者を交代しながら発声の 仕方やタイミング、生徒に対する着眼点、注意や指導の与え方などの詳細を学んだ。ほかにも初心者に対する指導上の注意点や工夫、判り易い(動作し易い)アイディア、号令のかけ方、動作の指導法を実習し、仕上げに任意の1組のしかけ応じを各人が採点し、講師から目の付けどころ、注意すべきところなどの指摘を受けながら「評価」を学んだ。
 午後は、「研修室」という約40畳の和室に机を並べ、正面に講師陣が坐り、参加者全員で「質疑応答」を行った。
 「生徒たちが相手のなぎなたに当てにいってしまう傾向の矯正法について」「評価について細かい採点は困難」「ビデオを撮って評価の参考にしているが難しい」「生徒のふざけについて」「リズムなぎなたのバリエーションの活用について」「技能だけでなく、対人の中でどう動けばいいかを生徒に考えさせるにはどうしたらいいか」「防具の必要性はどういう時に感じるか」…など、講師に対する質問だけでなく、直接現場を知る授業実施校教員にもいろいろな質問や意見、情報交換が行われた。
 午後の後半と2日目は、主に全日本なぎなたの形を実習した。
 高田講師が「形」持っている格調の高さを称揚し、動作ごとの注意点を説明したあと、全員で基本のツキから始め、逐次相対で手足連動の反復、動作の機会ととらえ方など詳細に亘って両講師の指摘、指導を受けた。
 実技の合間に、今を去る22年前福井県で開催された全日本なぎなた東西対抗戦の記録ビデオを全員で視聴し、講師の解説を聞きながら高段者の技の数々を堪能するなど、2日間の中に盛り沢山なカリキュラムを詰め込んだ研修は、折からの厳しい寒さにも負けず滞りなく終了した。
 唯一保体科教員として参加した琴平中学校の女性の先生は、断髪で、稽古着、袴の似合う長身だったが、なぎなたは初心者、専門はバスケットボール。自校では、男子が柔道、女子がなぎなたを採用し、平成21年度から授業で実践しているが、周囲に先達が多いため、指導資料を見せて貰うなどいろいろと助かっている。なぎなたを行ってみて、生徒の反応は良く、実施後のアンケートでは否定的な感想は皆無で、今の子たちは「かっこいい」と感じるらしい。
他の単元に移っても「入場時に礼」や「敷居を踏んではいけない」などが身に付いているとその効果を答えてくれた。