武道の振興・普及

静岡県(藤枝市)地域社会なぎなた指導者研修会

期間 平成22年6月12日(土)~13日(日)
場所 静岡県武道館
参加者 52名
派遣講師 千葉眞弓全日本なぎなた連盟評議員・宮城
今浦千信、全日本なぎなた連盟普及委員会部長、中学校武道必修化プロジェクト委員

概要

 平成24年度中学校武道必修化に伴い、今後TT(ティームティーチング)などで外部指導者としての需要の考えら れるなぎなたにおいて、現場で「指導と評価」が行える人材養成のため、「楽しいなぎなたの授業 指導の手 引」(全日本なぎなた連盟発行)に準拠して、実地の授業を想定した内容で行った。この種のものでは全日本なぎなた連盟としても初の試み。

 初日午前中は、開会式から会場内会議室で行われた。
まず永嶋日本武道館普及課長による中学校武道必修化に関する全般的な説明を行ったあと、現地の谷野静岡県教育委員会指導主事(学校教育課小中学校班)からの補足説明及び同県中学校の現状報告や提言が行われたのち、今浦講師が「武道必修化に向けたなぎなたの取り組み 単元の計画等」という題で講義。学校現場をよく知る立場から、評価は正しく厳格に行うことが必要かつ重要であること、生徒は“先生”という肩書だけでは従ってくれないこと、禁止事項の多い従来の指導法で正課を教えることは出来ないこと、生活環境が違う今 の子にとって正座は体罰のイメージであること、対象となる生徒は半分が体育嫌い、武道嫌いと考えるべきであること、しかしなぎなたの指導を受けて指示しなくても靴の脱ぎ方、並べ方が整っていくなど好ましい変化もあることなどを豊富な資料を交えて話した。
千葉講師からは、全国の中学校必修化におけるなぎなたの現状とそれに対する今後の方針などの 大局から、行政当局と関わる場合の服装など細かな点に至るまで話があった。
午後は、5~6人ずつ8グループに分かれ、1人が交代で教師、他は生徒になり前掲指導の手引に全面的に依拠し、6時間の内容を3時間で行った。事前説明通り「細かな部分には拘らず」、取り敢えず最後までひととおりやって、その成果をグループごとにリズムなぎなたで発表しあう形態となった。合間に「初心の生徒にやらせるには間合いが不十分で危ない」、「教え過ぎず当人の興味を引き出すように」と実地を予想した具体的な指示が飛んだ。
 初日最後は、1人が演技し、他全員が「○△×」の3段階で評価し、比較しあった。
2日目は「リズムなぎなた」で成果発表。「ポニョのテーマ」を課題曲に、2分48秒で基本技、基本動作を織り込んでグループごとに披露した。準備時間が1時間しかなくどのグループも急ごしらえで、動作の揃い方は不十分だったが精一杯行った。また第9グループとして、講師と静岡武道館花の女子職員2名(いずれも初心者!)混成チームによる発表も行われ喝采を浴びた。2日目午後は、しかけ応じを全員で研修し、滞りなく全体の日程を終えた。終了後、参加者からは慣れない指導法研修にも違和感、拒絶反応等見られず、「楽しかった」の声が聞かれた。