大分県(大分市)地域社会剣道指導者研修会
期間 | 平成22年11月4日(木)・5日(金) |
---|---|
場所 | 大分県立総合体育館 |
参加者 | 39名 |
派遣講師 | 中田琇士範士八段、軽米満世教士七段 |
概要
研修会初日の講話で中田講師は、「刀を見たことがない子どもたちに、竹刀を刀に見立てることができるのか。現在制定されている剣道理念をいかにして伝えていけばよいのか」という問題提起をした。剣道を学ぶ上で重要なことは「理法」「身法」「刀法」の3つを高めるように修練を積み、それを通して人間形成していくことだと説明した。昨今の試合においては勝敗ばかりに拘ってしまい、本来の目的を見失ってしまっている者が多いため、今回の研修会に出席する指導者には、現場での指導を手段・目的ともに実のあるものにしてもらいたいと述べた。
軽米講師は、剣道授業の魅力は凛とした空気の中で楽しく学べることだという。他の体育科目と異なり、武道的な素養が全くないまま中学生になる上、10~13時間という非常に短い時間での指導になるので、特に導入部分に工夫を凝らし、興味を引くような指導が必要となる。また、剣道を通して学校授業の活性化が図れるよう、他人を思いやる心・自分を律する心を育めるような授業が理想的であると説いた。
剣道具がない場合の授業例では、竹刀の代わりに新聞紙で作る新聞刀や空のペットボトルを使ったり、斬新なアイデアが多く含まれていた。そうしたアイデアは、「軽いものから重いもの」、「近間から遠間へ」という、段階に応じた授業内容を作っていくに当たっての工夫であった。
剣道具のある場合の授業例では、数名でグループを作り、短く設定された時間で繰り返し試合を行った。評価基準は大きな声でしっかり発声しているか、正しい打ち方ができているかなど、簡単なものに限って行った。そして試合後には必ずお互いに評価し合い、次に活かせるような授業づくりを実践するよう指導があった。
本研修会は中学校教諭の参加が若干名であったが、高校の指導者が多く参加していたため、地元指導者同士で伝達を行い、地域剣道の発展につなげていくとのことだった。