岩手県(盛岡市)地域社会少林寺拳法指導者研修会
期間 | 10月16日(土)-17日(日) |
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場所 | 岩手県営武道館 |
参加者 | 中学校必修化28名 社会体育指導者67名 |
派遣講師 | 山内謙三少林寺拳法連盟中学・高校普及委員会委員長 永安正樹少林寺拳法連盟振興普及部指導課係長 |
概要
今年度同県で開催する「地域社会武道指導者研修会」はすべて中学校武道必修化に特化した内容で行われ、既に合気道、弓道を終え最後の種目である少林寺拳法が実施された。
派遣講師は、高校の現場で長く指導実績をもち、「少林寺拳法指導の手引~体育授業充実のために~」 作成協力者の1人にも名を連ねる山内講師と、既に香川県の中学校で実際に授業を行っている永安講師の2人。本事業では少林寺拳法連盟としても初の試みとなった。
この研修会の他種目と大きく違ったのは、式や昼食を除く会全体の内容を社会体育指導者対象の部と中学校教職員対象の部に完全に分けたことで、その中でも講師は偏らないよう専門分野に応じて配置された。
山内講師は、講義では、日本武道館はじめ、関連団体の事業や必修化への連盟の取り組みの紹介、 現代の学校現場における武道教育の必要性、自身の学校変革や高体連加盟の体験、場所を選ばない、 準備物や費用が簡便で済む、掲げている理念や目標が学習指導要領の骨子に極めて近似しているなど中学校必修正課採用における少林寺拳法のもつ利点、評価の仕方、褒めながら生徒を導く方法、 授業進行の留意点、全国の公立・私立中学校での採用状況などについて語った。実技では、内受突、 小手抜、逆小手などを、いかに普通の中学生に安全に興味関心を引きつけながら教えるかの指導法を、「守主攻従」という少林寺拳法の精神、鈎手(かぎて)守法の重要性、タオルを使った指導法紹介、「やんちゃ」な生徒の扱い方、海外での経験談などを交えてわかりやすく説明した。
永安講師は、主に実技を担当し、身体をほぐす遊びを取り入れた導入法、結手(けっしゅ)・合掌礼・立ち方・ 座り方・座り方の種類等の基本から、順を追って開足中段構え、中段構えと実習した。既に地元の中学校で指導している実績と体験から、参加者を中学校生徒に見立て50分授業を行った。最初に体育科教員のやること、紹介されて自分が生徒の前に立つ所から詳細をシミュレートし、言葉の使い方、生徒に対し観察すべき点、注意すべき言動、相互発表の大切さ、最後の黙想で生徒に促す日常の反省点まで、実体験に即した内容に受講者も真剣な眼差しで見入っていた。
受講者はみな一貫して真摯な態度で臨み、日常縁のない結手などの動作も直ぐ身につけ、休憩時間も習ったばかりの技をお互いに確認し合う姿が見られた。