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第三十回 高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会・授賞式を開催

 高円宮妃久子殿下ご臨席の下、第30回高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会・授賞式は、平成26年8月31日(日)、東京・千代田区のホテルグランドパレスにおいて、受賞者及び関係者ら約600名が出席し、盛大に開催された。
 授賞式では、高円宮賞受賞者の須藤真奈美さん(静岡県・浜松学芸高等学校3年)をはじめ、各特別賞受賞者260名、24団体(当日欠席者含む)が表彰された。

高円宮妃殿下との記念撮影(左から、三藤芳生大会委員長、臼井日出男大会副会長、高円宮賞受賞者・須藤真奈美さん、高円宮妃殿下、松永光大会会長)
高円宮妃殿下との記念撮影(左から、三藤芳生大会委員長、臼井日出男大会副会長、高円宮賞受賞者・須藤真奈美さん、高円宮妃殿下、松永光大会会長)
高円宮妃殿下が熱心に特別賞受賞作品を鑑賞(加藤東陽審査部長が解説)
高円宮妃殿下が熱心に特別賞受賞作品を鑑賞(加藤東陽審査部長が解説)
◇展覧会
 展覧会は午前10時の開場と同時に、高円宮賞をはじめとする特別賞受賞作品260点(毛筆173点、硬筆87点)並びに本誌手本揮毫者の先生方による特別出品作品(22点)が展示された会場に、大勢の人が詰めかけた。
 高円宮妃殿下は、12時20分頃にご到着。松永光大会会長(日本武道館会長)の先導で、まず展覧会場へと向かわれ、最初に高円宮賞受賞作品をご鑑賞された。同賞受賞者の須藤真奈美さんに親しくお言葉を掛けられた後、大勢の取材陣が待ち構える中で、記念撮影を行い、その後、約30分間にわたって熱心に作品をご鑑賞された。

◇授賞式
 授賞式は高円宮妃殿下ご臨席の下、華やいだ雰囲気の中で午後1時から開始された。

高円宮妃久子殿下
高円宮妃久子殿下
 はじめに、松永大会会長が主催者を代表して挨拶に立ち、「本日、公務ご多用の中、高円宮妃殿下には授賞式にご臨席賜り、心から感謝申し上げます。日本武道館は、日本の伝統文化を大事にし、さらに充実したものにして、多くの人たちから日本の国が立派であると、高く評価を受けられるよう、日本が世界に誇る代表的な伝統文化である武道と書道の奨励を行っております。本展覧会は本年で第30回の節目を迎えました。書道の素晴らしさ、重要さはますます多くの国民に理解され、さらに発展していくものと思われます。今後とも皆様方のご協力を心からお願い申し上げまして挨拶とさせていただきます」と述べた。

 続いて、高円宮妃殿下から、「書道は、我が国の長い歴史の中で洗練され、日本を代表する伝統文化として発展して参りました。今日では、多くの国民に愛好され、海外でも高い評価を得て人々の心に喜びや感動を与える重要な文化活動となっています。本展覧会は書写書道を通じて、青少年の健全育成と国民の豊かな心情を養い、伝統文化の普及発展に寄与することを目的とした全国有数の展覧会です。本日、数多くの作品の中から厳正な審査を経て栄えある高円宮賞を受賞された須藤真奈美さんをはじめ、受賞者の皆様、誠におめでとうございます。これからも日本の伝統文化を学習しているという誇りを胸に、ますますのご精進を期待しております」とお言葉をいただいた。

松永 光 大会会長 日本武道館会長
松永 光 大会会長
日本武道館会長
長尾 篤志 文部科学省 初等中等教育局視学官
長尾 篤志 文部科学省 初等中等教育局視学官
 次に、下村博文文部科学大臣の祝辞を長尾篤志文部科学省初等中等教育局視学官が代読し、「日頃から書写書道に精進され、栄えある各賞の受賞者となられました皆様に、心からお祝いを申し上げます。さて、現行の学習指導要領では、すべての子供たちが変化の激しいこれからの社会を生き抜くために必要な、知・徳・体のバランスのとれた生きる力を育むことを目指しており、我が国の伝統文化に関わる教育を、一層重視しております。子供から大人まで、多くの人々が書写書道に親しみ、日本語のもつ奥深い世界を体験され、我が国の言語文化の確かな継承者となっていただくことを心より願っております」と読み上げた。
  • 高円宮妃殿下から須藤真奈美さんへ 宮杯が手渡される
    高円宮妃殿下から須藤真奈美さんへ 宮杯が手渡される
  • 壇上授賞式の様子
    壇上授賞式の様子

 表彰式では、最初に松永大会会長から高円宮賞の賞状が、妃殿下から高円宮杯がそれぞれ手渡され、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
引き続き内閣総理大臣賞をはじめとする各賞受賞者の表彰が行われた。

 表彰を終え、加藤東陽審査部長が、「本展覧会は、毛筆の部・硬筆の部合わせて1万8,570点と、昨年より543点増の出品がありました。毛筆の部は、全国から幅広い応募作品があり、多様な書体、書風、いろいろな書きぶりが寄せられたことが、特色の一つに挙げられます。硬筆の部は、漢字と仮名の調和ということが非常に審査の分かれ目になりました」と審査講評を行った。

 続いて、受賞者を代表して高円宮賞受賞の須藤真奈美さんが壇上に向かい、「この度は高円宮賞をいただき、誠にありがとうございました。私が臨書した賢愚経は奈良時代に書かれたもので、聖武天皇の宸筆と言い伝えられています。実際に、東京国立博物館へ本物を見に行き、様々な点で試行錯誤を繰り返して完成させたこの作品には、とても思い入れがあります。私にとって書は自分を成長させてくれるものです。書と向き合っている時間は自分自身の弱さとも向き合う時間であり、自分の内面と向き合う時間だと思っています。今回の受賞を励みに、これからもさらに書の奥深さや魅力を学び、書の道を追究していきたいと思います」と謝辞を述べた。
加藤東陽 第30回展 審査部長
加藤東陽
第30回展 審査部長
臼井日出男 大会副会長 日本武道館理事長
臼井日出男 大会副会長日本武道館理事長
 最後に、臼井日出男大会副会長(日本武道館理事長)が、「書道は長い歴史の中で培って育ててきた芸術であり、そして、書を習うことによって、よりよい人格が形成されます。今日の日を機に、また一層、書の道に励んでいただきたい」と閉会の辞を述べ、授賞式は盛会の裡に閉幕した。
謝辞を述べる 須藤真奈美さん
謝辞を述べる
須藤真奈美さん
内閣総理大臣賞の竹内 良太くん(小5)
内閣総理大臣賞の
竹内 良太くん(小5)