岩手県(盛岡市)地域社会弓道指導者研修会
期間 | 平成22年8月28日(土)・29日(日) |
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場所 | 岩手県営武道館 |
参加者 | 29名 |
中央講師 | 川村光良範士八段、高橋良子教士七段 |
概要
開会式後全員で礼記射儀・射法訓を一読し、続いて川村講師による矢渡しを行った。川村講師から、矢渡しの介添についての説明があった後、参加者はそれぞれ一手行射を行い、各講師から一言コメントをもらった。この時、中学体育教師2名は見取り稽古で有段者の射法を勉強した。午後は全員で川村講師の講話を聴講した。川村講師は東北地方の弓道の歴史、自身の弓道への関わり・経験談を話した。その中で、稽古をする際の環境づくりの大切さ、継続することの大事さを伝え、「失敗は財産であるので、その財産を糧に今後に生かして欲しい」と言い、最後に「人はそれぞれ骨格が違う。その人の骨格で弓を引かないといけない。骨で弓を引き、体で弓を引け。形で弓を引くな。そして指導者は目を養ってほしい。それは目で見るのではなく、体で感じて欲しい」とまとめた。その後全員で、弓の持ち方・矢の取り扱い方の説明・歩き方を学び、段位別に3班と中学校武道必修化関係者の4グループに別れて研修をおこなった。段位別は講師に参加者が順番に回り一人ずつ指導を受けた。中学校必修化関係者は高橋講師が担当した。高橋講師からは過去の実践校での問題点等アドバイスが挙げられた。的の高さ・的までの距離・授業の組み立て方・評価の仕方・外部指導者及び人材バンクの活用の仕方など事細かく説明し、討論しあった。また、ひもを用いての指導法の紹介もあった。
2日目も初日同様全員で礼記射儀・射法訓を一読し、講師による一的射礼の矢渡しを行った。その後、中学校必修化、一的射礼、持的射礼と3グループに分かれ指導を受けた。中学校必修化関係者は素引きを巻藁に向かって行った。その後、全員で高橋講師による講話を聴講した。高橋講師は中学校武道必修化について1時間ほど説明した。過去の実践校での実例を用いて、弓道授業実施校の現状・協力体制・取り組み方・指導法などの説明があり、その中で「弓道では自分の責任において結果が残ってくるのから反省し易いので、是非、武道の授業で選択して欲しい。今後はいかに外部指導者を減らして授業を進められるかが目標となるだろう」とまとめた。午後からは中学校武道必修化関係者も含め全員で的前射礼を行い講師から指導を受けたあと、閉会式を行った。
今年の10月と11月に中学校で弓道の授業をはじめようとする保健体育科の教員が2名参加していた。2名とも専門がバスケットボールと体操だが、今は弓道の授業が不安より楽しみで一杯であると答えていた。2校とも外部指導者を2~4名で予定し、両校とも弓道連盟からの道具の寄贈が理由で弓道の授業に踏み切ったそうだ。弓道授業の手引書の作成を熱望していた。
また、弓道授業の外部指導者経験がある参加者もいた。授業をする際には授業者(保健体育科教師)の『ねらい』に対して共通の意識を持って進めることに気を付けるとともに、余計な事を言わず、出しゃばらないようにした。中学校の授業では生徒に興味を待たせるようにし、細かな諸作法は部活動など専門的な道に進んだときに教えれば良いと思った。なるべく保健体育科の先生が1人で授業ができるような指導手引書の作成を期待したいと述べていた。